BONES#01 2000年4月 なびす画廊

僕はalsilve以降,造形としてミニマル的に形態を模索していた頃,偶然「球体と球体を棒で結ぶ」という組み合わせが気に入り,それを何枚も描いた。状態が骨,特に大腿骨に酷似していたところから,それを「bone」と名付けた。それは何か啓示のように見えたが,不思議と軽さに満ちていた。骨という題材は,僕が日常医学書関係の仕事を携わっていて,レントゲン写真に映る骨が鮮烈に見えていたことや,最小単位として漢数字「一」など由来した理由はいくつかある。しかしそのひとつひとつの理由よりも,意味の階層化,むしろそこに意味があるように考えた。それはalsilveで考えた記号論の非意味性としてではなく,ある種意味性の重なりによる曖昧さによって,妙に質量の低い、とても取り扱いの楽な物体が発生した。

 

60x42cm,aclyic on paper

60x42cm,aclyic on paper

 

 

nabis gallery April,2000

 

 

 

bone#02 2001年4月 なびす画廊

すでに取り扱いが楽になったbonesを、僕は画面の隅に追いやる。いや意地悪ではない。虐待でもない。ここでは正直な画面の問題。(詳細な内容は現在整理中)

bones#0241
75X50cm,oil on cotton canvas,2001

bones#0242
75X50cm,oil on cotton canvas,2001

bones#02604
162X130cm,oil on cotton canvas,2001